あまぎ日記

交渉と法についてだらだらと書き綴っていこうかなというブログです。

交渉コンペティション

学部レベルでは大学対抗の交渉コンペティションhttp://www.negocom.jp)なるものがあります(私も2014年に第13回大会に大学代表として出場した経験があります)。

こいつは一体どういうものかといいますとですな、世界各国の大学が一堂に会して(おおまかには日本の旧帝大早慶+αに加えてシドニー大学、オーストラリア国立大学、メルボルン大学シンガポール国立大学香港大学etc…)交渉(および仲裁)の技能を競い合うというものとなっております。

具体的には、「毎年1回、2日間にわたって行われる仲裁・交渉の大学対抗戦で」、「1日目には模擬仲裁を、2日目には模擬交渉を行」うとされています。また「仲裁も交渉も、国際的なビジネスを題材とした問題であり、」事前に問題が発表されてから「約2カ月かけて英文契約書を含む数十頁の問題に取り組」むことになります。「各大学は架空のネゴランド国のレッド社あるいはアービトリア国のブルー社のいずれかを担当することになり」、両当事者間で交渉の実技を披露することでいかに充実した交渉ができたか、納得のいく合意が得られたかという観点(および仲裁においては説得的な弁論ができたかという観点)から評価がなされるわけです。「大会には日本語の部と英語の部があり、英語の部では書面の作成から口頭でのやりとりまで、全て英語で行われ」ることになります。(「」内は公式ホームページより引用)。

多くの大学では交渉学のゼミのプログラムとしてビルトインされており、我が母校においてもその例にもれず、ゼミで一丸となって交渉コンペに備えるという形で交渉教育がなされていました。

コンペの準備としては、②交渉学の基礎理論を用いて問題文から当事者の利益状況を分析し、獲得しうる最大限の条件(TOP)と受忍限度ギリギリの条件(BOTTOM)を設定する、すなわち(ZOPA)を確定させることからはじまり、②TOPに近づけるためにいかなる交渉戦略をとるべきかを策定し(基本的にはサラミスライスにならずに、創造的な選択肢を用意する方向が望ましいように思います。その際に、win-winとなることがより望ましいといった前提を共有することが極めて重要になります。なぜなら、交渉がゼロサムゲームに陥るとパイの奪い合いとなり、結果としてお互いの得られる利益の総量が少なくなり、双方にとって望ましくないと思われるからです)、③模擬交渉を繰り返すといったプロセスを辿ります。

これにより、交渉を理論として学んだ上で応用するという交渉教育が学部レベルではかなりしっかりなされているという実感があります。理論と実務の架橋という、どこかで聞いた言葉が極めてしっくりきますな。

ぜひロースクールレベルでも交渉コンペ的なものを導入するべきではなかろうか(蛇足